専売局下松出張所の官塩の回送や輸入塩の取扱い、および石炭の販売会社として、一九一八年(大正七)二月に下松官塩取扱合資会社が資本金二万円で字東町に設立された。この会社は、もともと一九〇五年(明治三十八)専売制の実施とともに下松食塩合資会社として設立されたものであった。二二年(大正十一)には、この会社は西部塩元売捌人を合併して株式会社都濃塩元売捌所として字新地に移設され、貯蔵所を富田と福川に設け、周南地域における塩の販売流通会社となった(『大下松大観』)。下松塩の販路は大正期には帆船や汽車積によって、九州地方のみでなく、東北地方から北海道にまでおよんでいた。専売局下松出張所では一九二六年(大正十五)一月から塩のみでなく葉煙草の耕作収納業務を開始し、三一年(昭和六)に葉煙草再乾燥場を新設した。