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農産物と副業

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 表14の米川村の主要生産高と価格をみると、穀物生産が八割を占めるが、山間部であるため山林資源が一割五分を占める。副業として養蚕や五倍子などがみられる。これに対して末武南村(表15)は米の生産高に大きい差はないが、穀物生産のみでなく、下松塩田の一端をになって工業化もみられ、穀物生産は約三割で加工品生産とほぼ同比率である。末武南村は副業として塩菰の生産が大きい比率を占める。両村を概略把握のため単純に計算して、一戸当たりの平均収益をみると、米川村一四二円(一九〇〇年)に対し末武南村は三五六円(一九一六年)となる。そのためにも穀物主体の農村にとって副業の導入が必要であった。副業の奨励には県や郡は力を入れ、都濃郡蔬菜果実品評会や都濃郡内各村連合共進会等が一九〇〇年代以降になると、毎年開催された。
表14 米川村主要生産高・価格
(1910年)
生産高価 格(%)
4,74052,14056,226
(78.6)
7434,086
大 豆272702,675
( 3.7)
小 豆71710
蕎 麦200800
甘 薯7,500375
馬鈴藷2,000100
漬 菜12,000120
大 根20,000300
33312,089
(16.9)
楮 皮5,0001,900
木 炭20,0001,000
石 炭500,0009,000
五倍子1,950156
蚕 繭8240560
( 0.8)
6,000320
71,550(100.0)
明治43~45「米川村庶務統計」による
表15 末武南村主要生産高・価格
(1916年)
生産高価 格(%)
円 
5,15564,96578,622
(28.6)
2,16313,697
258552,062
( 0.7)
120,4401,207
食 塩7,577,22083,171113,590
(41.3)
生 魚73,63018,719
乾 魚6,76011,700
肥 料332,73567,49280,716
(29.3)
石 灰497,2507,458
タオル7,9505,206
経木真田7,000560
275,030(99.9)
「末武南村事務報告」による