山口県では一八九〇年(明治二十三)以来、県内産和牛の体格等の改善をはかるため、島根県産の種牛を購入し、町村へその改善を委託した。下松地域では末武北村が委託をうけ村内の産牛の改善を図った(「末武北村事務報告」)。一九〇七年(明治四十)久保村で開かれた県東部連合畜産講習会には末武北村から一五人入会して二五日間の講習を受け、同年の産出仔牛は七〇頭におよんだ。一一年花岡尋常小学校での畜産講習会には二〇〇名が出席受講し、その前年の第二回都濃郡産牛組合品評価には末武北村から六頭を出品し、その半数が賞を受けた(「末武北村事務報告」)。米川村では一一年産牛組合を組織し、二六〇名が加入し、毎年開かれる都濃郡品評会へ出品し、受賞した。末武南村も年一-二回県や郡の技師による講習会等を開催して向上をはかっている。産牛は肥牛生産に重点が置かれ、毎年品評会や共進会が開催された。