下松地域の小作契約をみると、口約束が七~九分であり、多くは小作証書を作成していない。契約は原則として一年であったが、暗黙の了解で年々継続される慣行であった。契約は牛馬や農機具の貸与等の条件や土地の良悪があり複雑であった。平均小作料は久保村一・二石、末武南村一・一石、末武北村〇・九石、米川村〇・八石であり、凶作時は減額されることがあった。一割程度の減収は減額されないが、七~八割以上の減収は小作料全免が一般的であった。だが七割の減収でも三割五分の減額となることがあり、小作料減額問題が小作争議の原因となることが多い(「小作慣行調査書」山口県文書館蔵)。