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公設市場の設置

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 下松町公設市場は一九二六年(昭和元)西豊井字土井に建設された。この市場は「日常生活必需品需給ノ円滑ヲ図リ、物価ノ調節ト社会経済ニ資スル」(「下松町事務報告」)ことを目的とし、翌二七年四月に開場した。当初市場の発展と出荷奨励のため使用料を取らず、その結果は上々であった。同年八月小売部門だけでなく生産部門を併設した。
 公設市場の使用は、屋内区画を定期的に使用するものを第一種とし、屋内区画を随時使用するものを第二種、屋外区画を随時使用するものを第三種と三種類に区分し、一坪の使用料を第一種月三円以内、第二種日別二〇銭以内、第三種日別一〇銭以内とした(「下松町公設市場使用条例」)。小売の上々の結果、二七年九月使用料を売上高の一〇〇分の七に改定した(「下松町事務報告」)。
 公設市場では米、麦をはじめ日常必需品全般にわたって販売された。下松町の工業都市化が進み、久保村や米川村など近郷農村として都市住民の食糧を充足させる商業的農業の市場としての性格を持つものであった。二七年九~十二月の売上高三五五九円余のうち、競売が三二二六円余であり、売上げも上々であった。
表12 下松町公設市場の1カ年出荷見込量 (1926年)
(単位 貫)
下松町末武南村末武北村久保村米川村備 考
野菜類22,4508,65012,10023,7007,95074,850馬鈴薯、甘藷、牛蒡、蓮根、大根
果実類2,5503,3001,3003,35085011,350梅、柿、蜜柑、栗
その他2,0001,6003001,5002,5507,950鶏卵、松茸、薪、魚、米、麦
27,00013,55013,70028,55011,35094,150
「下松町庶務一件」による