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[恐慌下の町村政]

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 第一次世界大戦の戦火が収まり、ヨーロッパ諸国の生産が回復し始めると、日本経済は急速に冷え込み、慢性的な不況が進行する中で「昭和」を迎えることになる。すなわち一九二七年(昭和二)の金融恐慌と二九年の大恐慌によって、日本経済は深刻な打撃を受け、とくに農村社会が著しく疲弊した。そのため政府が財政の緊縮を強め、あるいは一転して、「時局匡救」のために積極財政を執行する中で、地方の政策も揺れ動き、種々の問題が惹起されている。