図4 花岡村章(1932年制定)
一方、下松町においては、三〇年八月、中断していた老朽庁舎の改築計画が再開されることになった。すなわち、金清町長は、町議会の意向を重視するために、まず「臨時下松町役場建築委員設置規定」を設け、その委員に町会議員五名を任命して、この委員会の決定に基づき、改築費の多くを一般町民の寄付に頼る方針を採り、区長を中心とした勧誘を続けることとした(「防長新聞」十一月十八日付)。
しかし、不景気も災いして、資金調達が困難を極めたため、庁舎建築の議会提案は遅れ、ようやく三一年二月になって、以前の計画から総工費の約二七パーセントを削減し、しかも、そのうちの約三〇パーセントを寄付金にたよるという内容で、町議会の議決をみた。そのため、建築工事は、三〇年度内に完成できなくなり、また大幅な追加工事も加わったことから、結局、工事費総額八一〇五円の庁舎が、三一年十月十日になって落成している(「昭和六年事務報告書」)。
下松町役場(1931年10月10日落成)