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信用購買販売利用組合の振興

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 農業不況の打開策として、農会の振興とともに、農家の「信用購入」「信用販売」を目的とする信用購買販売利用組合の促進が各町村で行われることになった。一九三三年当時、商工業化の進んでいた下松町の信用組合の組合員は一七一人と少なく、積極的な農村振興策が進んでいた花岡村の信用組合の組合員は五〇二人を数える多さで、二年前にその事務所を花岡駅前に移築して、活発な動きを見せていた。また、下松地域で最も組織が大きかった久保信用組合の場合、その発展の推移をたどってみると、表2に示したように、昭和大恐慌が深刻化した三〇年に組合員数が減少し、組合員の貯金高も一時的に落ち込んでおり、その翌年から始まった農村振興のための諸政策で、急に貯金高が伸び、組合員への貸付高も急増していることが判明する。

花岡信用組合(1932年『花岡郷土誌』より)

表2 久保信用購買販売利用組合の発展
組合員出資口数貸付金貯 金組合長
1916年1432632,6982,729兼安照治
1921〃45877361,27272,764山田恒造
1927〃6831,341115,448134,226
1928〃7091,368119,754164,416
1929〃7261,387134,622184,759大木友之助
1930〃7081,395153,227176,673
1931〃7201,407139,258198,907
1932〃7221,413233,786239,745
1933〃7241,415242,052371,124
[資料:『久保村郷土誌』1936年]