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財政再建のあゆみ

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 この財政再建計画は、市民サービスの水準を落とすことなく、速やかに財政基盤の正常化を図ることを目的としていた。しかし市民に固定資産税の超過課税(税率一〇〇分の〇・三、表10)負担、使用料及び手数料(表11)の負担増を強いるものであったから、市民、市議会から相当な反論があった。このため市では、下松市財政問題懇談会を通じ、また市内各所で市政懇談会を開催して、市民の理解と協力を求めることを精力的に開始した。その結果、市政への関心が高まり、増税にもかかわらず徴税率九九パーセントが示すように、協力を得ることができた。
表10 超課税収入の状況
(単位:千円)
区分固定資産税法人市民税(均等割)
調定済額収入済額調定済額収入済額調定済額収入済額
1977年度346,474348,6895,2075,207351,681348,896
1978年度348,504345,6267,2477,233355,751352,859
1979年度363,605362,0279,5329,500373,137371,527
1980年度506,668502,8649,1519,147515,819512,011
1981年度504,029499,9969,5099,490513,538509,486
1982年度523,272519,0869,2989,289532,570528,375
2,592,5522,573,28849,94449,8662,642,4962,623,154

表11 使用料及び手数料
(単位:千円)
区分1976年度77年度78年度79年度80年度81年度82年度
使用料48,88365,78565,41063,32063,90868,95267,970
手数料94,547124,990124,950116,209114,135116,026118,427

 一方、市の行政費は、市役所職員労働組合とねばり強い交渉がもたれ、組合の協力を得て徹底した経費の節減、合理化が図られた。歳出で最も大きな金額を占める人件費については、類似都市なみに職員数の減員計画(表12)が実施され、給与についても国家公務員なみとするため、つぎの措置が講じられた。①七六年度のベースアップ(九パーセント引上げ)と一年間の定期昇給の停止。②給料表の国家公務員対応等級の一等級下位切換えと、現業職員に国家公務員行政職俸給(二)に準じた給料表の適用。③一定年限が経過すれば、自動的に二等級(課長職)まで格付けされていた一般職員の"ワタリ制度"の廃止。④その他、初任給の是正と昇格、昇給基準の設置、特別職等の報酬引下げ、諸手当の適正化の実施。
表12 職員削減計画と職員数
(各年度末)(単位:人)
年度条例定数再建計画数
(普通会計)
実数
普通会計特別会計
1976年
(当初)
72063363390723
76675
(△ 45)
581
(△ 52)
583
(△ 50)
92
(2)
675
(△ 48)
77663
(△ 12)
569
(△ 12)
569
(△ 14)
90
(△2)
659
(△ 16)
78651
(△ 12)
557
(△ 12)
554
(△ 15)
92
(2)
646
(△ 13)
79641
(△ 10)
550
(△7)
541
(△ 13)
92
(0)
633
(△ 13)
80633
(△8)
539
(△ 11)
532
(△9)
92
(0)
624
(△9)
81616
(△ 17)
522
(△ 17)
510
(△ 22)
94
(2)
604
(△ 20)
82609
(△7)
515
(△7)
508
(△2)
86
(△8)
594
(△ 10)
減員数(△)1111181254129

 以上の措置によって、ラスパイレス指数は表13のように国家公務員なみとなり、県下一四市中四位にあった給与ベースは最下位となった。また市は職員削減を行っても行政事務の低下を招かないように研修、指導等を強化し、職員資質の向上、事務処理の効率化を図った。これらの措置に職員はよく堪え、事務能率は再建前以上に向上した。
表13 ラスパイレス指数等の推移(一般行政職)
(各年度4月1日)
       年度
項目     
197576777879808182
ラスパイレス
指 数
下松市
全 市
120.0
113.8
114.7
112.0
103.3
111.0
102.2
110.5
101.6
110.3
100.7
110.0
100.0
109.8
96.7
109.2
平均給料
 (円)
下松市
全 市
132,157
124,596
143,316
139,139
142,039
150,842
155,360
163,910
164,928
172,650
175,911
181,570
188,554
192,655
201,682
205,490
平均年齢
 (歳)
下松市
全 市
34.9
34.1
34.1
34.5
35.5
34.9
36.3
35.2
36.9
35.5
37.6
35.8
38.2
36.1
38.8
36.5

 そのほか、物件費、補助費等についても再建計画にそって厳しく抑制した。投資的経費は補助・単独事業とも緊急度、効果を検討して財源の範囲内で、教育・生活環境・社会福祉施設を重点に執行に努めた。