ビューア該当ページ

老人福祉

973 ~ 975 / 1124ページ
戦後の老人福祉は主として生活保護の中で取扱われ、養老施設に収容、保護するという、消極的な施策にとどまっていたが、「老人福祉法」の制定後、老人の生活保障と健康保持、社会参加の推進など福祉対策は飛躍的に充実した。
 下松市の高齢者の推移は表2のように増加の一途を示している。市では一九六八年「老人にやすらぎを」をモットーに、市社協とタイアップして、温かい思いやりのある行政と市民の助けあいで、老人の孤独感解消と生きがい事業を開始した。さらに八〇年から「心のかよう福祉」をモットーに老人がいつまでも健康で明るく生きがいのある生活ができるまちづくり事業を推進している。
表2 下松市高齢者人口
(単位:人)
年次全人口65歳以上人口
実数%
1960年44,7112,5935.79
6547,4013,0146.36
7049,6273,4706.99
7555,8254,1467.43
8054,8035,0699.25
8554,4466,01611.05

 市の老人福祉対策の具体的内容をあげると、①ねたきり老人、独り暮らし老人対策。家庭奉仕員の派遣、日常生活用具給付、福祉電話の設置、シルバーホン、愛のベル設置、友愛訪問活動の促進、デイサービス、寝具乾燥サービス、老人ホーム入所措置等、②生きがい対策。ゲートボール等スポーツの普及、老人クラブ活動の助成、老人朝市開催、地区老人集会所の建設、老人福祉センター「小城」・老人福祉会館「玉鶴」への助成等、③その他。福祉バスの運行、高齢者無料職業紹介所・シルバー人材センターの設置、敬老祝金の支給等の諸施策を進めている。
 老人福祉施設はつぎのとおりである。
徳山地方養護老人ホーム岐山寮
徳山地方養老救護施設組合の経営する施設(定員一三〇名)で、日常生活を居宅で送ることが困難と判断された老人を入所対象としている。
老人福祉センター小城
老人の生きがい対策のため、娯楽とサークル活動を通じての教養施設として、社協が七一年国民宿舎大城の建設にあわせて、笠戸島大城岬公園に建設したもので、大集会所一室(二室に分割可)、小集会所一室があり、国民宿舎と有機的な活用が行われている。
老人福祉会館玉鶴
小城と同じく老人に娯楽とサークル活動や講座を通じての教養施設として、七四年八月社協が建設、開館した。館内には大・小集会所、教養室、娯楽室等各一があり、とくに入浴施設は清掃工場の余熱を利用し、湯量豊富で、「湯の花」を入れており、玉鶴温泉として老人から好評を博している。また、高齢者能力開発センターを併設し、老人の社会参加促進サービスを行うとともに、老人福祉施設の情報提供サービスを行っている。
特別養護老人ホーム松寿園
心身上に著しい欠陥があり、常時介護を必要としながら適切な看護が受けられない老人救済のための施設を設置する目的で、七九年社会福祉法人幸陽福祉会(理事長中島定幸)が設立された。笠戸島尾泊の市有地六一〇九平方メートルの譲渡を受け、国・県・市等の補助金、社会福祉事業振興会からの借入れ等で翌年四月特別養護老人ホーム松寿園を開園した。収容定員七〇名、職員数三〇名の介護施設の完備した施設である。