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国民年金

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 国民皆年金を目指し、五九年、国民年金法が制定、施行された。この年金には無拠出の国民福祉年金と拠出制の国民年金があり、国民福祉年金は同年から実施され、拠出制の国民年金には準備期間が置かれた。下松市は同年九月、国民年金事務を開始して、十一月から福祉年金(老齢、障害、母子)の支給を開始した。翌六〇年四月、保険年金課を設置して、拠出制国民年金の啓蒙、宣伝と準備事務を進め、六一年四月から拠出制国民年金を施行した。
 この年金には、強制加入(配偶者のいずれもが他の年金に加入していない者)と任意加入(配偶者がすでに年金に加入している者)があり、また五〇歳から五五歳までの者も任意加入とした。その後、七〇年高齢者の任意加入制度(五年年金)、七四年スライド制の導入、八二年外国人への適用等、しだいに制度の整備が行われた。市民の加入状況は当初八〇パーセント程度であったが、七〇年にようやく全員加入に近い状況となった。
 保険料は当初三五歳未満月額一〇〇円、三五歳以上は月額一五〇円の二段階であったが、その後毎年改定増額され、七〇年の改正で、三五歳を境にした二段階制の保険料を改め、一律月額四五〇円とした。その後も保険料の改正が続き、八五年には月額六七四〇円と増額された。国民年金施行後の市民の加入者・受給者状況は表4・表5のとおりである。
表4 国民年金(拠出制)加入者状況
(単位:人)
年 度総 数任意
被保険者
強制
被保険者
1961年7,3762,6664,710
635,7141,7094,005
655,4132,0233,390
708,2983,4054,893
7410,3794,8345,545
7811,2045,4835,721
8010,6565,2415,415
8210,1094,8925,217
8410,1934,3615,832
859,9565,2574,699

表5 国民年金受給者状況
(単位:人)
年 度拠 出 制 年 金福 祉 年 金
総数障害母子寡婦遺児老齢総数老齢障害母子
1962年1,2991,09111889
63551,3871,17911890
65282621,2331,08210942
7067184271,8661,6941702
747234953926102,7032,4822201
782,07472541731,9282,2401,9852541
802,53195581412,3632,0241,7622611
822,915109611712,7271,7491,4932551
843,307122641813,1021,5271,2552711
853,500124622213,2911,4001,1282711

 八六年国民年金法の大改正が行われ、国民年金には国民全員が加入し、共通の基礎年金を国民年金から受け取ることとなり、厚生年金や共済年金の加入者は、給料に比例した上のせ年金をそれぞれの年金制度から受ける二階建ての年金制度となった。このため、二〇歳以上の国民(六〇歳以上と学生は除く)は、すべて国民年金に加入することとなった。八七年現在、保険料は月額七七〇〇円と高くなったが、支給額も最高年額六二万六五〇〇円と増額された。