一九五四年七月、自治体警察は廃止され、新たに山口県警察下松警察署(警察官五四名、事務職員六名)が設置され、市民から親しまれ信頼される警察署の確立を目指した。
その後、日本経済の躍進は、国民生活を豊かにした半面、都市化現象に伴う公共意識の低下と利己主義の拡大、自動車の急増による交通事故の多発や犯罪の広域化、スピード化、また少年非行の増加と低年齢化を招くなど、犯罪発生も複雑多岐となった。
これに対処し、警察署も通信・車輛・鑑識科学など機械化による技術装備の充実・改善を行い、防犯対策を強化した。一方市民の防犯思想を高め、警察への市民の協力によって、犯罪のない明るい下松市の実現を目指して、六一年七月下松市防犯対策協議会を設置した。このような努力によって、下松市の犯罪発生は、六三年をピークに漸減に向かっており、特に兇悪犯罪が激減している。
また暴力追放のため、山口県暴力追放会議が設置され、周南各市で周南支所が結成され、下松市では七七年四月、下松地区会を結成し、市民が団結して暴力行為を根絶し、明るい平和な社会環境づくりに立上っている。
警察の一層の整備が図られる中で、汐見町(現新川児童遊園)の下松警察署は、老朽化し、また新機能に対応できなくなり、七〇年三月大手町市役所北隣に鉄筋コンクリート三階建の新庁舎を建設、移転し、機能の充実を図った。