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図書館の近代化

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 市立の図書館設立に先だち、広島CIE(連合国最高司令部民間情報局)の配意によって、一九五一年四月にCIE図書館の分館が下松第一中学校に設置され、図書・雑誌・レコード・フィルム等を備えて一般の閲覧に供した。当時は図書・情報の不足したころであり、徳山・光両市をはじめ他地域からの利用者も少なくなかった。
 戦後社会も混乱期を脱して落着きを取りもどすに伴って、市民の文化・教養に対する関心もしだいに高まり、また社会教育法、図書館法が制定されたこともあって、市もこれに対応して社会教育施設の創設を急ぐことになった。このため、五〇年八月に市役所が新庁舎に移転したあとの栄町元市役所(旧下松町役場)を活用することとし、階上を図書館、階下を市民館に改装して五二年四月に市立下松図書館を開設した。これによって、下松第一中学校に設置していた教職員の下松教育図書館を閉鎖して蔵書を下松図書館に移管するとともに新規図書を購入して充実を図った。
 また、CIE図書館下松分館も下松図書館内に移転し、五三年にアメリカ文化センター(ACC)と改称し、五八年にはアメリカ資料室と改めた。その後、内外の図書・情報も豊かになったので七四年に廃止となった。
 図書館施設については、社会の発展、市民読者層の向上・拡大に応じて近代化の必要にせまられ、六四年十月市制施行二十五周年記念事業として大手町に市民会館と並んで図書館を新築移転した。さらに八〇年四月に、市制施行四十周年記念事業として、元の図書館を解体して新たに鉄筋四階建・延べ面積二一七八平方メートルの近代的図書館に改築した。
 図書館活動においては、読書会・読書感想文コンクール・短歌会等の開催、貸出文庫の設置(五五年九月)、ブックモビール、あおぞら号による移動図書館の開設(六二年十一月)を行い、市民読書活動の拡充に努めている。
図書館の概要(八七年三月現在)
主な設備 大会議室、開架室、児童室、閲覧室、調査研究室、グループ研究室、視聴覚室、資料展示室。
蔵書数図書 総記三六一六冊、哲学二五〇七冊、歴史五四二〇冊、社会科学八六九四冊、自然科学三七四九冊、工学四六八八冊、産業一八三七冊、芸術四三八一冊、語学一〇一〇冊、文学二五九五二冊、児童一六五八二冊計七八四三六冊。
貸出図書数 本館一〇万六六冊、移動図書館(五八カ所)一万六三一〇冊、貸出文庫(一四カ所)八二四八冊。