連合国軍最高司令部民間情報局(CIE)は、第一次アメリカ教育使節団の報告書に基づき、一九四六年五月に、文部省に対しPTA組織の早期実現を勧告した。文部省と県は早速PTAに関する資料を作成して関係教育機関に配布しPTAの結成を督励した。
市内の小・中学校においては、この要請に応じて四七年から翌年にかけてPTA・育友会を組織し、四八年九月には下松市小中学校PTA連合会が発足した。PTA活動は、父母と教師が協力して児童生徒を取りまく学校生活・家庭生活・社会生活の改善、民主化を目指すものであるが、当初は戦後の財政窮迫による学校設備・教具備品・消耗品等の不備不足を補充する必要もあって、従来の学校後援会的な活動も力強く続けられていた。
五一年には下松市小学校PTA連合会と下松市中学校PTA連合会に分かれたが、ともにあい提携してPTAの公費負担軽減、学校施設備品の早期整備を市当局に陳情し、しだいにその実現をみるに至って、PTAも学校後援会的性格から脱皮し本来の目標に向かって、単位PTAとともにつぎの事業を中心に積極的な活動を展開した。
学校教育の理解-学級参観、学級PTA・地区懇談会等の開催、学校の行事、環境美化に協力、広報活動の推進。
家庭教育の充実-家庭教育講座・幼児教育講座等の開催。
社会環境の浄化-校外における健康・安全対策の推進、悪書追放運動、愛の一声運動、校外巡視の実施、関係機関・団体との協力提携。
研修の推進-教育文化講演会・同和教育研修会・PTA役員研修会等の開催。
現在、PTAは小学校一一、会員数三五七九人、中学校四、会員数二五九二人で組織されており、各校PTAも連合会と緊密な連繫のもとに、校区の実情に即した活動を力強く進めている。