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下松市の民話・伝説
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[花岡地区]
25 亀石を動かした衆力と怪力(かめいしをうごかしたしゅうりきとかいりき) (花岡地区)
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花岡八幡宮の登り口に、台石の亀の背に、縁起を記した碑石が乗せてある。その台石(高さ一米(メートル)、巾三米角)は、そのむかし、枝折峠(しおりとうげ)の苔むす石を、千余の人が力を集め、十日余の日をかけ、約三粁の道を、わずかづつ動かしてすえ置いたものである。
この石に、貝殼の付着跡があり、このことから、枝折峠付近まで海だったのではと、古老がいっていた。
幕末の、四境戦争小瀬川の戦いに出陣した者の中にいた。「相島某」という怪力の人が、この碑石(高さ二米(メートル)、巾一米厚さ四十糎(センチ))を動かし、再びこの地を通ったとき、まだ直されていないのを見て、もとの位置にもどしたということである。まことに怪力な人があったものだ。