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下松市の民話・伝説
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[深浦地区]
50 火振島と火振明神(ひぶりじまとひぶりみょうじん) (深浦地区)
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むかし、笠戸島大浦の沖の、火振島に、明神様が祭られていました。この神様は、大変な荒神様(あらがみさま)で、船が、この沖を通ろうとすると、腹を立てて大風を起こし、引き戻すものですから、船頭は、大変困っていました。
そこで、この島の沖を通るときは、遠慮して、夜中にそっと通ったといわれています。しかし、いつの時代か、皆があまり難儀するので、この荒神様を、深浦の入江深く祭りかえようということになり、深浦の西の丘、今の「松王様」に併せ祭られ、それ以後は、火振島の沖を通る船が、難儀をしなくてすむようになりました。