○ 盆が来たちゅうて 嬉しいこたないぞ 越後(えちご)かたびら 着るじゃなし
歌も数ある 八万四千 色のまじらぬ 歌はない
わたしゃどうでも あんだでなけりゃ 東しらんでも 夜は明けぬ
どうせ一度は 騒動のもとよ 早く騒動に なってみたい
御座りゃどんどと 一度に御座れ おちなおちなにゃ だれも来る
※ 焼けつくような水田に、腰を曲げて這(は)う姿で、両手をかきまわすようにして、稲株の根本の草まで取る。一人で四五条の幅で進む。暑さとぶゆに刺されながらの作業は、農作業の中でも最も辛い仕事の一つであった。