4 米搗唄(こめつきうた)

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○お倉のねだ俵じゃ ござりませぬが  これも百姓の 涙米
 なんど搗いても この米ゃはげん  どこのお倉の ねだ俵やら
 涙米とは 名だいがわるい  これが百姓の おさめ米
 歌のかえしは 二度までよいが  三度かえせば くどくなる
 歌はうたいたし 歌のかずは知らん  夏の畑で くれがえす
 お月さんとは 一度に出たが  お月山端に わしゃここに
※ 玄米(げんまい)を白米(はくまい)にする仕事を、米を搗(つ)くといった。
  唐臼(からうす)。ふみ臼ともいって、臼を地を堀って埋め、杵(きね)を機(はた)にのせ、足でその柄の一端をふみ、臼の中に入れた穀類を搗く。普通農家の雨垂落(あまだれおち)の内側などにおかれていた。(台唐臼(だいがらうす)~動かぬように台をつけた臼)
  米搗きは、農家の主たる仕事ではなく、昼休み、夜鍋時、雨の日などの仕事であり、また子どもの仕事であった。何千回踏むと米が白くなるというので、数を数えたり、歌ったりして搗いていた。