○ わしが山行きゃ 木が倒(こ)けかかる もどりや妻子が 泣きかかる
藁(わら)で髪結うて (注)足中(あしなか)履いて おいで山いこう 柴刈りに
酒を呑め呑め 呑んだが得じゃ 下戸の建てたる 倉はない
歌の上手な 三原(みはら)の三太(さんた) 歌で三原の 城をとる
蛸(たこ)に骨なし なまこに目なし いかもさわする 首がない
枝が栄えりゃ お庭が暗い 暗きゃお切やれ 一の枝
一の枝より 二の枝よりも 三の小枝が 陰をする
三の小枝が陰するなれば 床にゃ摘みこめ 五葉の松
(注) 足中=かかとの部分のない、足のなかば位の短いぞうり。長いぞうりより、活動的であった。