○ サーエー 誰もどなたも 手に綱とりゃれ ヨイヨイ
綱をしらべて 棒木を上げゃれ アリャリャコリャリャ ナンデモセー
サーエー 陰をなすとも おろしはすまい ヨイヨイ
末は鶴亀 五葉の松 アリャリャコリャリャ ナンデモセー
○ 地づきは初めは 戌亥(いぬい)の角よ 大工初めは 竹田の番匠(ばんしょう)
国の初めは 大和の国よ ここに九州 海老屋(えびや)がござる
海老屋はじめて 大阪へ上る 舟は千石 波静か
積んだ荷物は 米と酒 はるか山手を 眺めれば
今日は目出度や 若宮様の 地づき初めの 吉日じゃ
ヤレサンヤデ ヤンサンヤデ 道具も使わにゃ さびがでる
(明治中頃花岡地方で)
※ 新しい家を建てる時、基礎固めをする作業の歌である。一家親族はもちろん、隣近所の手伝いも頼んで、煩被り(ほおかむり)・ねじり鉢巻、それにねえさんかぶりの女もまじった人たちで、祝う気持ちも含めて歌いながら地搗き(ぢづき)した。
柱下になるところに、小石を入れて、そこに櫓(やぐら)を組んだ。中央に経二三十糎(センチ)の棒木を立て、引きにつかう綱を綱子の人数だけつけた。棒木のもとに根取りがいて、搗き棒の下り工合いを整え、みんなで調子をそろえて、コットン―――コットン―――、と搗く。
綱をしらべて 棒木を上げゃれ アリャリャコリャリャ ナンデモセー
サーエー 陰をなすとも おろしはすまい ヨイヨイ
末は鶴亀 五葉の松 アリャリャコリャリャ ナンデモセー
○ 地づきは初めは 戌亥(いぬい)の角よ 大工初めは 竹田の番匠(ばんしょう)
国の初めは 大和の国よ ここに九州 海老屋(えびや)がござる
海老屋はじめて 大阪へ上る 舟は千石 波静か
積んだ荷物は 米と酒 はるか山手を 眺めれば
今日は目出度や 若宮様の 地づき初めの 吉日じゃ
ヤレサンヤデ ヤンサンヤデ 道具も使わにゃ さびがでる
(明治中頃花岡地方で)
※ 新しい家を建てる時、基礎固めをする作業の歌である。一家親族はもちろん、隣近所の手伝いも頼んで、煩被り(ほおかむり)・ねじり鉢巻、それにねえさんかぶりの女もまじった人たちで、祝う気持ちも含めて歌いながら地搗き(ぢづき)した。
柱下になるところに、小石を入れて、そこに櫓(やぐら)を組んだ。中央に経二三十糎(センチ)の棒木を立て、引きにつかう綱を綱子の人数だけつけた。棒木のもとに根取りがいて、搗き棒の下り工合いを整え、みんなで調子をそろえて、コットン―――コットン―――、と搗く。