15 舟唄(ふなうた)

109 ~ 110 / 168ページ
○ ヤレ 泣いてくれるな 出船のときはよ ヤー ドッコイ ドッコイ
      沖で艪漕(ろこぎ)が 手につかぬよ   ヤー ドッコイ ドッコイ
  ヤレ 寒さこらえて 沖に出て見ればよ ヤー ドッコイ ドッコイ
      白いかもめが 手でまねくよ  ヤー ドッコイ ドッコイ
○ 海のかもめと 舟のりさんは  末はいずこで はてるやら
  船はもどったが 殿御はみえぬ  ぬしは網の陰 あばの陰
  沖の潮路(しおじ)の 瀬に打つ波は  かわいい男の子 度胸さだめ
  船頭可愛いや 音戸が瀬戸じゃ  一丈五尺の艪がしわる
○ 新造おろして 浮きなりみれば 沖のかもめの 浮き姿  おもしろや
   イホノマヒョウ タンジャ アリャ エイトモ エイトモ
  新造おろして 荷は何を積む  こぶみます よろこぶさ  おもしろや
艪漕ぎ唄