20 行事の唄(ぎょうじのうた)

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○ 節分の唄
   鬼は外 福は内  隣のかかあの 面(つら)を見い  人を使うて  物をくれん
○ 亥の子唄(いのこうた)
 ⦿ えべっさー だいこくさー
   一に俵踏んまえて
   二でにっこり笑って
   三で酒をつくって
   四つ世の中よいように
   五ついつもの如くに
   六つ無病息災(むびょうそくさい)に
   七つ泣くやら笑うやら
     (何事のないように)
   八つ屋敷を広めて
   九つここらで止めてくれ (ここに倉を建て)
   十でとうとう緒(お)が切れた
    (とうとうおーさめて)
    (とっくりおーさめて)
   おさめ袋の緒が切れて ヨンヨン三つ
   もう一つおとして ワッショイ ショイのショイ
    (これの家は 繁昌せ 繁昌せ)
 ⦿ 亥の子 亥の子 亥の子餅や ごいせんか
   亥の子餅を搗いても 搗かんと言う人は 鬼を生め 蛇を生め
     角の生えた 子を生め
 ⦿ ここらでひとつ やってくれ やりましょう やりましょう
   亥の子というて 祝わん者は 鬼をもうけ 蛇をもうけ
     角の生えた 子をもうけ
   えべっさー だいこくさー
   一に俵ふんまえて………(十まで同前)
   ヤッカンコー ヤッカンコー 納め袋の緒が切れて ジョンジョン三つ
   もう一つ祝って オッシャガシャガンノ シャガン
 ※  旧暦の十月の亥の日に、この行事は行われた。色紙七色をつかい、叩(はたき)ぐらいの長さの女竹(めだけ)に、その色紙をゆわえて(注)梵天(ぼんてん)(ごへい)を作り、各家の男の子が行事の前に持って集った。
 当日は、当家(とうや)になった家に、その地区の男の子が集り、その家でご馳走(ちそう)になった。
 夕方ご馳走を食べおわり、暗くなると最初に当家、それから次の家、また次の家と亥の子石をついて廻った。
 亥の子石は、直径二十糎(センチ)位の丸っこい石で、両わきに金具の輪がつき、それに搗き綱を数本結んだ。
 搗き綱を、年長の子が数人で、持ち、丸く輪になって、歌に合わせて地面を搗く。
 搗きおわると、その家では、餅、みかん、飴、お金などを、祝儀として渡し、労がねぎらわれた。

 

(注) 梵天(ぼんてん)=祭礼などの時に振りながら持ってゆく一種の御幣(ごへい)