三また佐倉の 宗五郎 四また信濃の 善光寺
五つ出雲の 大社(おおやしろ) 六つ村村 鎮守さま
七つ成田の 不動尊 八つ八幡の八幡宮
九つ高野の 弘法さん 十で東京 心願寺
あれほど心願 かけたのに 浪子の病は 治らない
○ あの向うの おかあさん 嫁にしようじゃ ないかいな
行きましょ 行きましょ 参じましょ
木綿着物 百七つ 簞笥長持(たんすながもち) 百七つ
これだけ仕度を してやるから 後に帰ると 思うなよ
後に帰りゃせぬと 思わぬが 先の主(さきのあるじ)の 気がしれん
○ あんた方どこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ
熊本どこさ せん場さ
「せん場山には 狸がおってさ それを猟師が 鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ それを木の葉で ちょっとかくせ」
「せん場川には えびさがおってさ それを漁師が 網さでとってさ
煮てさ 焼いてさ それを木の葉で ちょっとかくせ」
○ お米や お米や ねんねんせ われらが十四の 年頃に
くしくし持って 金持って 観音へ参ろうと 出かけたら
あとからおばばが 追ってくる
泣く涙は 舟につみ 舟は泉州 大阪の
大阪みやげに 何もろた くしとこうがい いつとこせ