家々には門松を立て、家を清掃して氏神を迎えるように、舟をもって生業をいとなむ漁業従事者や、運搬を業とするものが、その舟に神を迎え、その年の海上の安全・豊漁を祈るものである。
年末に海水で舟を洗い清め、中央に松(山から魂、神を乗せて来た松の意)を立て、輪飾りをする。これを舟祝いといっている。機帆船には船中に神棚があり、これを清め、輪かざり、お鏡餅を供え、更に元日にはお膳を供える。お膳には、酒・小餅二つ・作り魚・お節(せち)料理をもっている。何れも正月早々神主を招き、初乗りをし、海上航行の安全、豊漁を祈念してもらっている。