9 書初め(かきぞめ)

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 「書初めの 灰舞いのぼれ どんどん焼」
 幼い頃、どんど焼で「書初め」の失敗した紙をくべ、その灰が空高く舞い上ると「習字」が上手になると言われていた。多くの紙をくべれば必ず空高く舞い上るもので、練習を重ねれば練習に用いた紙も多くなる、つまり練習を重ねれば上達するということでしょう。
 江戸時代には寺子屋で行われ、多くは正月五日、師の端座している前で一人ずつ呼び出されて、注視のもとで揮毫(きごう)していたようである。維新後衰えていたものを、明治中葉に再興されたもので、現在は正月三が日のうちに行うようになっている。
 幼い頃、小学校の冬休みの宿題として与えられ、提出した作品が教室の後に貼られ皆の者に見せられていたことを思い出す。
 文字は、寿・福・幸・慶・喜・永・遠・初・出・昇等、慶字を書くことにより、その年の幸せと発展への願いをこめている。