正月十四日の夜または、十五日の朝行われる。
門松や輪飾り、書初め、神への供え物にした紙などを集め、家の畑地や、空地でたきあげる行事である。「どんどん」とは、物が次から次に重り合う。また、勢いよく踏みしめる音などの意から出た語であろう。
前者は輪飾り、門松などつぎつぎにたきあげるところから、後者は足を踏みつつ歌いはやしながら焼くと土中がぬくもり、作物がよくできるという信仰から出たものか、「焼」という言葉を用いないで「はやす」ともいっていた。
「はやす」とは、たたえる、引きたてる、また、声をたてて歌曲の調子をとる意である。神々に使用された物を、春田打の行事(種まきから取入れまでの田の行事を、物真似で行いながら、口で今年の農作物のできをほめる)とあわせてたきあげ、煙とともに神送りしたものであろう。
「どんどん焼」の時、その火で身体を暖めると、健康に過ごせると伝えており、また、その火で焼いた餅を食べれば、病気に罹(かか)らないとも言い伝えている。
現在の家では、輪飾りの使用数も減り、また家まわりの焚(た)き火もむつかしくなり、行事も農村部の家庭や、神社には残っているが、大部分の家庭では行っていない。
今では小学校区ごとに子供会や、学校が中心になり、児童の手をとおして家々のものを集め、大がかりに行っている。
しかし、あまりにも大量になり、当日が風の強い日などには、日時を変更して行っている。