15 地神申(ちじんもうし)

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 農家の人が寄り合い、神々を迎えて、その年中の耕作が順調に進み、出来秋(できあき)が豊穣(じょう)になるよう、土地の精霊(しょうりょう)に約束してもらう。正月あけから行われ、日時は里々によって異る。その際、農事についての話し合い等がされ、直会(なおらい)も行われるので「申(もうし)」と呼んでいる。
 農家にはこのような行事が、春・夏・秋に行われるので、その季節を「頭」に冠して、春申(はるもうし)・夏申(なつもうし)・秋申(あきもうし)などとも呼んでいる。
最近までは里人が当屋(とうや)に集まっていた、その会費として米を持ち寄り、米の量から「一升申(もうし)」などといった地区もある。
 当屋により、馳走が違ってはという配慮から、当日使用する酒の量、料理の内容まで定めていたようで、その記録をとどめている地区もある。
 この「申」では多くの「御幣(ごへい)」が作られ、祭事の後、苗代田、畑地に立ててある風景を見る。御幣は神の立寄られる所で、神により土地を守っていただく意である。