ねはん会(え)というのは、お釈迦様(おしゃかさま)が入滅(にゅうめつ)された日に、各寺に、お涅槃像を祭って、その前で行う法会(ほうえ)、または法要のことである。
仏教では「仏忌(ぶつき)」ともいい、旧暦の二月十五日に行う習慣であった。現在では、新暦の二月十五日に行う所も多くなった。法要の方法については、所により多少の違いはあるが、昔は、ねはん像(主に浄土宗や、禅宗の寺に伝わっている。釈迦入滅を描いた仏画大きさは、幅二メートル・丈三メートル位のものが多い)の前で、遺教経(いきょうきょう)等を唱えておつとめをする。この掛軸の前に祭壇を設け、次の品をお供えする。
お花・お香・明松(たいまつ)・あられ菓子(昔は寒餅を搗(つ)いて、かきもちを作っていた。その時出てくる屑餅をあられに切って置き、ねはん会(え)のとき炒(い)って、飴をまぜて固め、菓子にして供える)この形がお釈迦様の頭に似ていることから、子供達は、この菓子をいただいて食べると賢(かしこ)くなるといってお参りした。
昔、「ねはん会」の夜、明松(たいまつ)を点(とも)して、田の畔(あぜ)を歩いて回り、害虫の虫封じをする習慣があったが、現在は行われていない。