古来、私たちの祖先は清浄を尚(たっと)び、清明なる心で、日々の生活に励んできたのである。しかるに、私ども人間生活においては、知らず知らずのうちに、あやまちを犯すことがあるので、そのような罪・けがれを解除しようとして、一年を上半期と、下半期の二つの期間に分け、その最後の日、即ち六月と十二月との晦日(みそか)に、祓(はらえ)の行事を執(と)り行い、半年の間の過ぎ、来(こ)し方を反省し、身心を祓い清めて罪障消滅(ざいしょうしょうめつ)を願い、次の半期に新たな勇気をふるいおこして、生活を高めてきたのである。これが「大祓」であって、大月の大祓を「夏越(なごし)の祓」と言い、十二月の大祓を「年越しの大祓」といって、その年内の、罪や・けがれを祓(はら)ったのである。昔、都では王城の正門、朱雀門(すじゃくもん)で、地方ではそれぞれの役所で、百官をはじめ一般国民が参列して、この式が執(と)り行われた。現在も宮中においては、当日、天皇陛下が親しく「節折(よおり)の御儀」と申す。古式による大祓の行事を行われる。
下松の各神社においても、この由緒(ゆいしょ)深い大祓式を、古儀に則(のっと)り執(と)り行い、広く崇敬(すうけい)者及び氏子市民の、この半年の厄災を祓(はら)い清め、無病延命を祈り家運の繁栄を祈願する。