本市民俗資料収集事業の一環として、昨年の「下松市の民話・伝説と民謡」に続いて、「下松市の石造文化財」を発刊することになりました。
私たちの祖先は、長い歴史の中で山野を開き、海を埋め、風水害や疫病から生活を守り経済を豊かにし、文化を高めながら郷土の建設と発展に尽してまいりました。
本誌には、市内に現存する石仏・石塔・石祠・石碑・道しるべなど、八十三点を収めてありますが、いずれも先人の生活や信仰から生まれ出た、かけがえのない極めて貴重な民俗資料であります。
一九八〇年代は、ふるさとづくりの時代ともいわれております。本誌が、私たちの郷土下松の歴史と、先人の生活文化をふりかえり理解するとともに、その保存継承と今後の市民文化創造の糧となれば幸甚に存じます。
終りに、調査・編集にあたられた下松市文化財審議会委員の方がた、並びに、資料の御提供をいただいた市民の皆さまに、深く謝意を表する次第であります。
昭和五十六年三月一日
下松市教育委員会 教育長 清木幹丈