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下松市の石造文化財 祈りと生活
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二、観音様(かんのんさま)について
1 米川観音(よねがわかんのん) (米川地区)
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西国三十三番観音霊場の厚い信仰が日本各地に波及して、山村僻遠(へきえん)の地である米川方面でも三十三番観音像を建立し、お札所巡りが盛んに行われた模様である。
妙音寺境内を一番札所として、下谷(くだたに)・菅沢(すげさわ)・温見道谷(ぬくみみちだに)・後山(うしろやま)・一の瀬(いちのせ)と各地をめぐり、中野(なかの)を三十三番目の札所とする広範囲にわたり観音様が建立安置され、彫刻年も文政十年丁亥(一八二七)とあって古くから信仰されていたことがわかる。
毎年八月十日には、多くの善男善女が三十三ヶ所の巡礼をしており、その信仰は遠い昔から現在まで受けつがれ、熱心に続けられている。