花岡地域の禅定寺(ぜんじょうじ)、菊市(上地(あげじ))、宮の首(みやのくび)(八幡宮裏通)、八幡通(小路口(しょうじぐち))の四ヵ所に馬頭観音がある。むかしは物品の輸送を主とし馬の力に頼った。だから物品集配の任務をもつ馬の存在は極めて重要であった。そこで近隣の者たちは馬頭組合を結成し、米川、中須、八代、須金方面との交易に従事したのである。こうして組合の人たちに欠くことのできない馬の安全を祈るため、馬頭観音を建てて信仰したのである。
この観音像は、交通の要所要所にまつられている。宮の首は交差点、禅定寺は山頂に安置され、共に八代、生野屋方面の要点である。また、菊市は米川方面への入口であってこの付近には休み茶屋が栄えていた。
なおこの観音像はいずれも「三面八臂(さんめんはっぴ)」の像が彫られている。