四国八十八ヶ所霊場信仰は大変盛んであり、米川方面では部落ごとにその信仰ぶりをきそい合っていたという。米川東北部の温見から道谷、大藤谷の各部落にかけて、八十八ヶ所の大師像が安置されており、この地区の人々はもとより、米川全地域、さらには隣村の八代方面の人々までが参拝したり、大師像の建立寄進をしたりしている。大師巡りの参拝は、春の四月二十一日と夏八月二十一日の年二回、必ず行うことをならわしとしている。
　一番礼所と八十八番礼所が、大藤谷中央にある薬師堂境内におかれ、温見、道谷、大藤谷を順次巡って参拝を終えるように大師像が配置されている。