目次
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下松市の石造文化財 祈りと生活
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五、石鳥居(いしとりい)について
6、鳥居(とりい) (旧分国寺(きゅうぶんこくじ))
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旧分国寺は、平田川の一支流である浴川の上流の分水嶺(れい)近くにあった。
古い寺で、「八幡宮」の鬼門の方角の守護寺であったと考えられる。また住職は八幡宮別当の地蔵院の院代を務める等、寺格の高いお寺であった。
この鳥居は、寺の境内に祭ってあった杵崎社(きさきしゃ)(風鎮(ちん)の神)のものである。刻文には、
奉献者 竹村喜衛門 片野左兵衛
当山現住法印瑞如
建立 文化十三年丙子八月吉日(一八一六)
とあり僧職の奉献者は珍しく、当時の神仏混淆(こんこう)の姿をしのぶことができる。