目次
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下松市の石造文化財 祈りと生活
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七、石燈籠(いしとうろう)について
3、燈籠(とうろう) (久保岡市(くぼおかいち))
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天明六丙午(ひのえうま)年(一七八六)九月に建てられたもので、久保岡市にある。次の銘がある。
「久保市町中 岡市村中 山田村中」 「妙見社献燈」
献燈された天明年間には、火事、風雨洪(こう)水、干ばつがつづいていた。天明六年閏九月には防長両国で、風雨干ばつ損害額十四万四千余石、倒壊家屋二百五十余戸という記録がある。こうした天災にあい一般庶民は神仏への祈願が唯一の救いであった。下松妙見社をはるか拝することのできる旧国道にこの燈籠は建てられており、夜になると庶民たちはこれに火を入れ、妙見社を拝み五穀豊饒を祈願したのであろう。