5、燈籠(とうろう) (下恋ヶ浜(しもこいがはま))

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 下恋ヶ浜、浜河内の一角に、平凡な燈籠が一基ある。特別目立たないので、見逃がしてしまいそうだが、この地の古老に話を聞いてみると、足を止めてみたくなる。
天明八年(一七八八)の建立で、高さ二メートル。
 「この燈籠のある隣接小字(こあざ)を舟入(ふないり)といいます。以前はここまで舟が入ってきたということです。もちろん昔は、ずっとこのあたりまで入江だったのです。この燈籠は、船の目印となった常夜燈だったし、また船の安全を願う意味での建立でもあったわけです。私の子供の頃燈籠の前で、ともしびをあげ拝んでいる人の姿を思い出します。恋ヶ浜は漁師が多かったけえのんた」と語っていた。