1、宝篋印塔(ほうきょういんとう) (西市正福寺(にしいちしょうふくじ))

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塔高  三・三メートル
願主  浅海氏
建立  寛政十一年己未
       (一七九九)
 左のような刻文がある。
  疫癘邪気不祓自
  避喜夫良婦不求
  自得賢男美女不
  禱自生一切所願
  任意皆満足去去
  若人求福至
  基塔所一華
  一香札拝供
  養右旋行道
  由是功徳官位栄
  輝不求自至寿命
  富饒不所自増怨
  家盗財不計敗怨
  念咒咀不壓帰本
  寛政十一年己未
  願主 浅海姓
  九月吉令辰
 寛政年間(一七八九~一八〇一)は、天災の連続で、特に元年、四年、六年、八年、十一年はひどく、庶民はその生活に苦しみあえいだ時代であった。
 恐らく、大庄屋浅海氏が末武の村々の安泰を念じてこの塔を造立し、除災を仏に祈願したものであろう。