[五輪塔(ごりんどう)について]

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 教理の上では、下の段から方形の地輪、円形の水輪、三角の火輪、半月形の風輪 団形の空輪からできており、仏教でいわれている「地・水・火・風・空」の五大をあらわしている。石造では、平安時代(七九四年~一一九一年の約四〇〇年間)後期以来、わが国石塔の主流として流行した。五輪塔の形式は、石造では方形の基礎、球形の塔身、方形の笠、半球形の請花、宝珠形になっている。密教系の塔で、各輪四方に四門の梵字(ぼんじ)(古代のインドの字)を表したものが多い。しかし、早くも鎌倉時代から宗派を越えて用いられた。
南北朝時代(一三三六年~一三九二年)には、ますます流行し大形から中形が多くなり、どっしりした風格よりも、洗練され温和になっていく。

五輪塔