1 五輪塔(ごりんどう) (上豊井妙法寺(かみとよいみょうほうじ))

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 下松で一番大きい五輪塔で妙法寺の裏山にあり、高さ三・三メートルである。
 徳山藩領主毛利就隆の乳母(うば)にあたる「清安院殿光誉栄真大姉」の墓である。当時、毛利就隆は御屋敷山の館(やかた)に住んでいた。就隆は乳母の死後寛永二十一年(一六四四)妙法寺の裏山に清安寺を建立し、五輪塔をつくり菩提をとむらったのである。開山は本意長意和尚といい徳山奈古屋(なごや)氏の出で清安院殿の甥(おい)に当たり、長穂龍文寺の弟子であった。長意和尚が延宝七年(一六七九)に遷化(せんげ)すると、清安寺は毛利家に取り上げられ廃寺となった。清安院の位牌(いはい)・五輪塔は妙法寺に、本尊及び仏具は中市の周慶寺にお預けになった。