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下松市の石造文化財 祈りと生活
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九、五輪塔(ごりんどう)について
2 五輪塔(ごりんどう) (昭和通松心寺(しょうわどうりしょうしんじ))
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松心寺本堂西側の墓地に立っている。高さ二二〇センチの下松市内で二番目に大きい五輪塔である。徳山藩主初代毛利就隆の最初の姫で、特に殿の竈(ちょう)愛していた伊勢姫のために立てられたのである。法名は
「祥光院殿瑞中以松大姉」
姫は病弱のため一生結婚せず、四十六歳で寛文十年(一六七〇)正月十一日になくなられた。姫の母にあたる「永心寺殿月窓永心大姉」の墓の隣にある。また、姫の火葬は近くの田で行われたが、その灰塚の松をお姫松といい、里人は永くこの薄命の姫をしのび冥(めい)福を祈っていたという。