[石祠(せきし)について]

105 ~ 105 / 171ページ
 祠=ほこら、神をまつってあるところで、祠堂、祠宇、祠屋ともいう。
 薮の中にある小祠を「叢祠(そうし)」とか、「薮神さま(やぶかみさま)」といい、石で造られた小祠を「石祠」という。
 市内の石祠は、大部分が古くからあった祠屋を、十九世紀後半に石祠に造りかえたようである。
 観音開きの石戸、切妻、入母屋(いりもや)の石屋根石戸を開くと、祭神名を記した「御霊石」が安置してあるものや、また、「祭神名」が後壁石に刻み込まれたものがある。
 市内では、香力にある「貴布祢社(きふねしゃ)」の石祠が、寛延二年(一七四九)の建立とあり最も古いものではなかろうか。