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下松市の石造文化財 祈りと生活
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十七、石橋(いしばし)について
2、組石堤塘(くみいしていとう) (花岡上地(はなおかあげじ))
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明治三十五年(一九〇二)七月、周南地方に未曽有(みぞう)の大水害があり、末武川が氾濫(はんらん)し、堤防の決壊があいつぎ、多くの人畜や家屋が水禍に遭遇(そうぐう)した。翌年、ただちに復旧工事が開始されて、被害の大きかった花岡上地の北端に、長さ一〇〇メートル、幅四メートルに及ぶ堅牢な組石堤塘が構築され、現在にいたってもなお堅牢そのもので、洪水(こうずい)対策に大きな威力を発揮している。
工事請負人は花岡の浅本菊蔵氏、工事費は当時の額で三〇〇〇円であったと語り伝えられている。