1(彫刻) 金銅如意輪観音菩薩半跏像(こんごうにょいりんかんのんぼさつはんかぞう) 一軀(く)

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   指定年月日 昭和四十一年六月十日
   所在地   下松市高橋
   所有者   日天寺
 日天寺は、旧久米村の日面寺と旧末武中村の受天寺が合併改号したもので、この菩薩像は旧日面寺伝来のものと考えられる。
 (注)宝髻(ほうけい)をつくり、三面飾の宝冠をいただき垂髪(すいはつ)を両肩に垂れ、上半身裸体にして裳(も)をつける。右手を右頬(ほほ)に当て、右足を(注)半跏して足首を左股(また)の下においている。台座はほぼ方形で、掛け布を垂れる(注)裳懸座(もかけざ)の形をとる。
 総高十九・五センチ、重量は四・五キログラムの鋳銅仏で、白鳳時代の制作と推定されている。

 

 なお、同寺には焼体となったほぼ同じ大きさの「鋳銅菩薩像」一体が別に保存されている。
   (注) 「宝髻(ほうけい)」   =菩薩や天部の仏像が頭上に結んでいる髻(もとどり)
   (注) 「半跏(はんか)」   =半跏趺坐(はんかふざ)の略で、普通左脚を垂れ、右脚を屈(ま)げ膝頭(ひざがしら)に乗せて腰掛け、右手を頬のあたりにあげ思考にふける姿。
   (注) 「裳懸座(もかけざ)」 =仏像を安置する台座には多くの形式があるが、仏の種類により使用する台座がきまっている。裳懸座はその一種で、仏像の法衣の裾を台座の前にたらしたものをいう。他に「須弥座(しゅみざ)」もある。