昭和四十七年調査。花岡和田の宮原台地に立地し、弥生前期から古墳時代にいたる文化期をもつ複合遺跡である。
居住区と墓地区を区別する大きな長円形のⅤ字型溝状遺構を検出し、この環溝によって形成された周溝墓は直径一〇〇メートルにおよび、内側に四十四基の土墓が集中している。また、亜高地性の堅穴居住址(たてあなし)や掘立柱建物址(ほったてばしらたてあな)が点在している。
出土品として、石器や炭化米および弥生式土器が多く検出された。特殊な出土品として、正倉院御物に酷似した鉄製の馬具の部品がある。しかしなぜここに遺存したか明らかでない。