銅造 神馬

28 ~ 29 / 32ページ
神馬

《市指定有形文化財》
(彫刻)銅造(どうぞう) 神馬(しんめ) 一頭

指定年月日昭和61年9月30日
所在地下松市花岡戎町
所有者花岡八幡宮

 銅造の牝馬で、静止の姿をほぼ実物大によく描き鋳造されている。躰長217cm、耳高162.3cm、頭高154.4cm、胴中央高129cm、胸幅45.9cmで胴体を首の付根(つけね)で継ぎ四脚、尻尾、耳、眼、睪丸を後(あと)で溶接している。
 腹部に次のような陰刻がある。
      文化三丙寅歳 平田濱
               藤井甚兵衛佳徳
   花岡八幡宮 願主
               上原惣左衛門延清
      六月吉日    花岡町
        冶工 郡司杢之烝
 藤井甚兵衛佳徳、上原惣左衛門延清両氏が三田尻の冶工郡司杢之烝に造らせ花岡八幡宮神馬として奉納したことがわかる。
 太平洋戦争末期に銅製品が多く供出されたがこの神馬は花岡駅頭で終戦を迎え八幡宮に帰られたため現存している。化政期の当地方の鋳造技術や産土神信仰を知るための貴重な存在である。また上原惣左衛門延清は讃岐琴平宮にも同じような牡馬を奉納している。