絹本淡彩妙見社参詣図

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絹本淡彩妙見社参詣図
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《市指定有形文化財》
(絵画)絹本淡彩妙見社参詣図(けんぽんたんさいみょうけんしゃさんけいず) 一幅

指定年月日昭和61年9月30日
所在地下松市中市
所有者鷲頭寺

 本図は、江戸時代(文化5年)、法眼信喬の作である。
 鷲頭山妙見社の上宮・中宮および若宮・鷲頭寺の境内の様子と参詣人を描く。北辰星が天降った鼎松(かなえまつ)や、豊井の地名の起りとなった霊水閼伽井、さらに妙見社鎮座の桂木山、つづいての高鹿垣山など妙見社草創以来の由緒の地並に若宮や別当坊鷲頭寺、観音堂などを描き、神仏習合した中世以来の妙見信仰の様子を示し、江戸時代の旧妙見社の実況を示している。
 旧妙見社の伝説的縁起、さらに妙見信仰の特色、あるいは寺社一体となった神仏習合の中世的宗教施設の実体、加えて民衆の信仰や参詣風俗などの諸要素を複合的に一幅の画面に描き込んだ点、きわめて興味深く、貴重である。
 筆者「法眼信喬」については他に知見がなく、後考をまたねばならないが、雲谷派の新知ということは防長絵画資料としても重要である。