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(一) はじめに

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 花岡八幡宮に所蔵される多くの古文書の内、『修学院御茶屋絵図』(一巻)についての解説要請もあり今回はその紹介を目的とし、あわせて御茶屋変遷のあとをたどり、庭園を中心に概略を述べたいと思う。
 絵図の内、建物は間取りその名称に至るまで、淡い墨線で正確に描かれており、(その意味ではむしろ指図と称すべきであろう)庭園は樹林、渓流等微妙な立体を写実的やや装飾的に表現し、わずかな着色をなしている。巻物後部には和歌二首をとどめる。