現在は涸池であるが、池水は西南約九八m隔たる渓流に水源を求めている。水口は竹のトヒで調節されていて、一部は生活用水に利用されていたという。幅一尺にたらぬ導水路は、山麓寄りを流れて池にそそぐが、山崩れのため溝の一部を塞ぎ、数十年前から涸池となっている。水路は直線で池に至る約一〇m余り手前からは、溝脇に置石がなされているが現在はほとんど埋まってよく見えない。溝の一部は分かれて、中島の背後に導かれているが、これは池泉内部に清澄な水を期待したものであろう。

導水路付近置石 この付近は倒石・埋れ石が多い。

導水路石組 埋れ石が多い。