
護摩炉(年代不詳)河内八丈
茶碾臼は、上臼を回転して上臼の穴から入れた茶葉を挽くため下臼には溝がついた縁が造られている。これは粉茶(散茶さんちゃ)をつくる道具であって、作った粉茶を袋に入れて煮えたぎる茶釜に入れる。このようにして焙じ少しの茶葉も倹約したのである。現在でも客人に「粗茶ですが」と言わず「粉茶ですが」と云う地方があるのは、その名残りである。調べてみると、どの臼も石臼の歯が摩滅してほとんど存在しないのに気付く。ご苦労多き藩政時代の生活を伺う生きた資料である。

茶碾臼
(八) 護摩炉と茶碾臼