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(二〇) 狛犬

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 狛犬は中国漢代以降の帝陵の前に置いた石獅子を源流とし、我国へは、鎌倉初期に宋製のものが輸入され、その後神殿の守護として、一般に用いられるようになった。下松市内で江戸期に造立された狛犬四十八基の内から年代順に記すと次の通りである。
切山八幡宮狛犬 寛政十年(一七九八)

 最も古い松尾八幡宮の狛犬は
  銘文
   奉獻
    天明六丙午九月吉祥日
    弘中維清
    石工徳山住和泉屋吉兵衞春久
狛犬造立年代西暦基数所在地
天明六年(一七八六)二基松尾八幡宮(宮本)
寛政元年(一七八九)二基花岡八幡宮(参道)
寛政二年(一七九〇)二基降松神社(若宮参道)
寛政二年(一七九〇)二基降松神社(若宮)
寛政五年(一七九三)二基降松神社(中宮)
寛政九年(一七九七)二基花岡八幡宮
寛政十年(一七九八)二基切山八幡宮
文化十一年(一八一四)二基鉏常神社(米川)
文化十三年(一八一六)二基深浦八幡宮
天保三年(一八三二)二基笠戸神社
天保八年(一八三七)二基鉏常神社(米川)
天保八年(一八三七)二基恋ヶ浜降松神社
天保八年(一八三七)二基温見神社
嘉永二年(一八四九)二基河内神社(瀬戸)
嘉永四年(一八五一)二基花岡八幡宮(天満宮)


切山八幡宮狛犬 寛政十年(一七九八)

 最も古い松尾八幡宮の狛犬は
  銘文
   奉獻
    天明六丙午九月吉祥日
    弘中維清
    石工徳山住和泉屋吉兵衞春久

松尾八幡宮狛犬 天明六年(一七八六)

 二番目の花岡八幡宮狛犬は
  銘文(参道右側)
   田中十郎右衛門知賢
   城市左衛門正範
   浅海長兵衛通堅
   寛政元巳酉歳
  銘文(参道左側)
   熊毛郡
   神代茂兵衛貞栄
   河内直之助實栄
   山野井吉右衛門高光
   寛政元巳酉歳

花岡八幡宮狛犬 寛政元年(一七八九)

 三番目の降松神社若宮の参道狛犬は
  銘文
   山田村
   寛政二庚戌
    二月吉日

降松神社若宮参道狛犬 寛政二年(一七九〇)

 四番目 同若宮拝殿前は
  銘文
   奉獻
   願主 林市左衛門政吉
   寛政二庚戌三月吉日

降松神社若宮狛犬 寛政二年(一七九〇)

 五番目 同中宮拝殿前は
  銘文
   願主 山田村
      貞木善七
        貞信
   寛政五歳
   癸丑八月吉日

降松神社(中宮)狛犬 寛政五年(一七九三)

 六番目の花岡八幡宮は
  銘文
   寛政九丁巳暮穐
   上原惣左衛門

花岡八幡宮 狛犬 寛政九年(一七九七)